心臓
Online ISSN : 2186-3016
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46 巻, 2 号
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Open HEART
HEART’s Selection(発達心臓病学)
HEART’s Original
[臨床研究]
  • 上村 直, 川島 理, 阿部 秀樹
    2014 年46 巻2 号 p. 177-185
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/09
    ジャーナル フリー
     背景 : 開心術の適応にならない重症大動脈弁狭窄症に対する経皮的バルーン大動脈弁形成術 (balloon aortic valvuloplasty ; BAV) の有効性は定まっていない. 当院では高齢者, 全身状態不良などで開心術不適応の大動脈弁狭窄症に対してBAVを施行した.  目的 : 当院で施行したBAV 10例の周術期・長期予後について検討する.  方法 : BAV施行症例10例の周術期合併症, 長期フォロー中のイベント (死亡, 心不全入院), 大動脈弁口面積の変化, 自覚症状の変化について調査および検討した.  結果 : 平均年齢82.5±5.4歳で, 全員がNYHA class III/IVの症状を呈していた. 術前の弁口面積は0.67±0.11cm2であった. 周術期にはバルーンによる心筋損傷が1例あった以外は合併症なく周術期死亡率0 %であった. フォローアップは平均24.2±11.3カ月行い死亡2例, 心不全入院2例 (20%) がみられた. 1年生存率100% (9/9), 2年生存率67% (4/6) で, 2年以上生存した患者は全員NYHA class I/IIに改善していた. 大動脈弁口面積は6カ月以上フォローした6例で平均16.3カ月後0.94±0.11cm2と術前より有意に高値であった (p=0.007).  結論 : 開心術の適応とならない大動脈弁狭窄症患者において, BAVは主に症状緩和において効果が認められた.
Editorial Comment
Editorial Comment
[症例]
Editorial Comment
[症例]
  • 島本 恵子, 井上 一郎, 河越 卓司, 嶋谷 祐二, 三浦 史晴, 中間 泰晴, 岡 俊治, 䑓 和興, 大谷 尚之, 岸本 真治, 高田 ...
    2014 年46 巻2 号 p. 196-201
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/09
    ジャーナル フリー
     症例は34歳の男性. 生来健康であったが, 飲酒中に心室細動 (ventricular fibrillation ; VF) に伴う心肺停止状態となり当院救急搬送となった. 来院時もVFが継続していたため, 薬剤投与下に電気的除細動を繰り返し, 発症50分後に自己心拍再開した. 原因検索のため冠動脈造影を行ったが有意狭窄は認めなかった. 一方で心エコー図, 左室造影で左室後下壁部位に壁運動低下を認め, 心筋MRIガドリニウム遅延造影でも同部位に異常染影を呈した. また, 造影X線CT検査で全身のリンパ節腫脹が明らかであり, 頸部リンパ節生検上, 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が認められた. これらの所見から心臓サルコイドーシスに伴うVFと診断した. 植込み型除細動器 (implantable cardioverter defibrillator ; ICD) を挿入し, アミオダロン塩酸塩200mgおよびプレドニゾロン30mg投与を開始した. 以後, 不整脈イベントを認めず, 経過している. サルコイドーシスは, 心臓病変合併例では頻脈性心室性不整脈や伝導障害など多彩な不整脈をきたし突然死の原因となる. 若年者の致死的不整脈において心筋壁運動異常を認める場合には, 心臓サルコイドーシスを考慮する必要がある.
[症例]
  • 細山 勝寛, 中村 喜次, 田鎖 治, 金村 賦之, 加藤 一平, 清家 愛幹, 古畑 謙, 鈴木 伸章, 中村 智一, 月岡 祐介, 中原 ...
    2014 年46 巻2 号 p. 202-208
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/09
    ジャーナル フリー
     膝下領域における血行再建は血管内治療・外科治療ともにその成績は満足のいくものとは言い難い. 今回, われわれは大腿動脈-後脛骨動脈バイパス術に自家静脈による吻合部パッチ形成術を併施することで良好な血流改善を得た1例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 症例は68歳, 女性の透析患者. 右間歇性跛行を主訴に当院受診. 足関節上腕血圧比 (ankle brachial pressure index ; ABPI) は右0.74. CTでは総大腿動脈分岐部に石灰化を伴う50%狭窄, 浅大腿動脈は起始部から完全閉塞, 膝窩動脈から再造影されるものの強い石灰化と75%狭窄を認めた. 膝下3分岐以下では比較的良好な性状であったため, 大伏在静脈を用いた右総大腿動脈-脛骨腓骨動脈幹バイパス術を予定した. 術中造影を行ったところ, 右後脛骨動脈で病変の増悪を認め, 起始部から完全閉塞をきたしていた. そのため, 末梢側吻合予定であった脛骨腓骨動脈幹から後脛骨動脈にかけて約5cmにわたって血栓内膜剥離を行い, 切開口に静脈パッチを縫着し内腔の拡大を図った. 静脈パッチ中央部に吻合口を形成しグラフトとの吻合を行った. 中枢側吻合部の総大腿動脈でも血栓内膜剥離および静脈パッチ形成術を行った後にグラフトと吻合した. 術後, 間歇性跛行は消失しCTでグラフト開存を確認した. 石灰化を伴う細径の末梢側吻合血管に対し, 血栓内膜剥離および静脈パッチ形成にて吻合動脈の内腔拡大を図ることで良好なバイパス血流を得ることができた.
[症例]
  • 小野口 勝久, 蜂谷 貴, 田口 真吾, 花井 信, 山崎 真敬, 山城 理仁
    2014 年46 巻2 号 p. 209-213
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/09
    ジャーナル フリー
     2010年1月からの2年間に単独大動脈弁閉鎖不全症患者7名に対して施行した大動脈弁形成術について検討した. 大動脈弁閉鎖不全の成因は, 弁尖の逸脱に伴うもの5例 (うち2例は先天性二尖弁), 上行大動脈・sinotubular junctionの開大に伴うもの2例であった. 7例中1例は手術中に弁置換術へ術変更を行っているが, 残り6例の大動脈弁逆流はI/IV°以下への改善を認め手術を終了している. 術後1年目に施行した心エコー検査の結果, 6例中1例に大動脈弁逆流の悪化を認め, 再手術を施行, 弁置換を行った. 残り5症例には閉鎖不全の悪化は認めず現在経過観察中である. 弁置換術を施行された2症例はいずれも70歳以上の症例であり, 弁尖の硬化の存在が形成失敗にいたった原因と考えられた. 一方, 弁尖逸脱が原因でも若年症例や, 弁尖逸脱を伴わない症例の1年後の成績は良好であった.
Editorial Comment
[症例]
  • 片桐 有一, 上島 彩子, 赤沼 博, 唐沢 光治, 山本 一也, 北原 博人
    2014 年46 巻2 号 p. 216-220
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/09
    ジャーナル フリー
     症例は70歳代, 男性で, 高血圧による通院歴があった. 高所から転落し入院となった. 当初は軽度の肺挫傷を認めるのみで呼吸状態は安定していたが, 第4病日に急速に呼吸不全となり人工呼吸器管理にいたった. 心臓超音波検査では, 右冠尖付近から細長い布状の構造物が拡張期に左室側に翻転しているという, 特異な形態の大動脈弁逸脱が認められた. 経食道心臓超音波検査では, 拡張期に右冠尖から左室流出路後壁に向かって吹き流される布状の構造物がみえた. 前医における心臓超音波検査の既往や胸部聴診所見の記録はなかったが, 入院時から120/30mmHgと拡張期低血圧を認めていた. 受傷前の拡張期血圧は正常であったので, これは外傷により生じた現象と考えられた. 以上の所見から外傷性大動脈弁閉鎖不全症を疑った. 内科的治療では肺水腫が改善しないため, 第43病日に大動脈弁置換術を施行した. 無冠尖よりの右冠尖交連部が弁輪部から裂開し, この部分が遊離して布状となり左室側に逸脱していたことが判明した. 心嚢膜の一部に心嚢膜破裂も認め, 外傷性に矛盾しないものであった. 生体弁に置換した後は肺野の陰影も消失し呼吸状態も急速に改善した. 受傷後に新たに生じた拡張期低血圧は, 外傷性大動脈弁閉鎖不全症を示唆する重要な所見であった. 心臓超音波検査で認められた布状の弁尖逸脱は, 交連部裂開による弁尖の逸脱であり, この特異な形態の弁尖逸脱は外傷性大動脈弁閉鎖不全症に特徴的な所見であった.
Editorial Comment
Editorial Comment
[症例]
  • 李 基鎬, 大西 隆行, 小林 一士, 大西 祐子, 梅澤 滋男, 丹羽 明博, 畠田 和嘉, 石川 智啓, 高橋 政夫
    2014 年46 巻2 号 p. 223-229
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/09
    ジャーナル フリー
     75歳, 男性, 主訴は呼吸困難. 下壁誘導でST上昇, 汎収縮期雑音あり, 心エコーで下壁の壁運動低下および後中隔穿孔を認め, 急性下壁心筋梗塞, 心室中隔穿孔の診断で緊急心臓カテーテル検査を施行した. 右冠動脈#4AVの完全閉塞あり, 右心房69.1% → 右心室91.3%のO2 step upを認め, Qp/Qs 4.6, 左右シャント率76.8%であった. 心原性ショックのため, 同日緊急で後中隔穿孔に対し経右室アプローチにてパッチ閉鎖術を施行した. 術後経過は良好であり第60病日に独歩退院した. 退院前に左室下壁に心室瘤の出現を認めたが, 症状なく経過観察とした. 術後18カ月に呼吸困難, 心窩部圧迫感を訴え, 心臓MRIで心室瘤の拡大と瘤内血栓を認めた. 手術適応と判断し, 経左室下壁で心室瘤切除, 左室形成術を施行した. 経過良好で術後38日目に独歩退院した. 心室中隔穿孔閉鎖術後, 心室瘤を併発した稀な症例であり, 文献的考察も含め報告する.
[症例]
  • 芳沢 礼佑, 齊藤 秀典, 土岐 祐介, 松下 尚子, 西澤 健吾, 織笠 俊樹, 盛川 宗孝, 八子 多賀志, 佐藤 衛
    2014 年46 巻2 号 p. 230-236
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/09
    ジャーナル フリー
     症例は64歳, 男性. 双極性感情障害の既往あり. 洗顔中に眼球上転し卒倒した. 呼びかけに反応なく, ただちに救急要請され, 救急隊到着後に心肺蘇生 (cardiopulmonary resuscitation ; CPR) が開始された. 自動体外式除細動器 (automated external defibrillator ; AED) で心室細動を認め, 電気的除細動計12回で洞調律に復帰した. 近医へ救急搬送され, 到着後の心電図でST上昇を認めたため急性心筋梗塞症が疑われ当科紹介となった. 心電図でII, III, aVF, V3~6誘導にST上昇, aVR誘導にST低下, I, aVL誘導に陰性T波を認めた. 急性心筋梗塞症を疑い, 緊急冠動脈造影検査を施行したが, 有意狭窄なく, 左室造影検査で心基部の過収縮と心尖部の無収縮を認めたため, たこつぼ心筋症と診断した. その後の心筋生検の結果からは肥大型心筋症が示唆された. 今回われわれは, たこつぼ心筋症が合併したと考えられる肥大型心筋症の1例を経験したのでここに報告する.
Editorial Comment
[症例]
  • 井上 航之祐, 竹政 啓子, 久原 孝博, 尾上 武志, 尾辻 健, 柴田 清子, 黒田 智寛, 斉藤 奈津子, 椋本 祥子
    2014 年46 巻2 号 p. 239-246
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/09
    ジャーナル フリー
     症例は29歳, 男性. 38°C台の発熱が出現し, 抗生物質を処方されるも左鼠径部の疼痛・発赤・腫脹, 40°Cの高熱が出現したため当院紹介. 蜂窩織炎の診断で入院となった. 入院1時間後よりショックバイタルとなり, 敗血症性ショックを考え, カテコラミン, 大量輸液負荷に加え, カルバペネム系抗生物質, 免疫グロブリン, ステロイド投与を開始したが, 8時間後にはI, II, III, aVL, aVF, V3~6の著明なST上昇, 心筋逸脱酵素の上昇およびび漫性壁運動低下〔左室駆出率 (left ventricular ejection fraction ; LVEF) =21%〕を認めた. 冠動脈に異常はなく, 急性心筋炎の合併と判断し, カテコラミン投与下でも低血圧が持続するため, 大動脈内バルーンパンピングを挿入し, 持続的血液濾過透析, エンドトキシン吸着療法も併用した. 第3病日に起因菌がA群溶連菌と判明. 壊死性筋膜炎を伴う劇症型A群溶連菌感染症と診断し, 創部のデブリードマンを施行. 抗生物質をペニシリンG, クリンダマイシンへ変更し, 創部洗浄を連日施行した. 第5病日には血圧も安定し, LVEFは42%まで改善したため大動脈内バルーンパンピングを離脱. その後, 心機能は徐々に改善傾向を示し, 第30病日にはLVEFが56%まで改善したため, 第34病日に退院となった. 今回, われわれは致死率の高い劇症型A群溶連菌感染症に急性心筋炎を合併し, 救命し得た1例を経験したため報告する.
Editorial Comment
[症例]
  • 青木 真弓, 尾畑 弘美, 二村 麻美, 上北 和美, 太田 久宣, 満岡 孝雄, 長谷部 直幸
    2014 年46 巻2 号 p. 249-256
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/09
    ジャーナル フリー
     症例は64歳, 女性. 数年前から労作時息切れを自覚していた. 2008年7月, たこつぼ心筋症を発症し当院へ救急搬送. 壁運動異常は保存的に改善したが, その後の心精査で, 労作やドブタミン負荷により左室流出路圧較差の増大を認め (心エコー上97.5mmHg), 閉塞性肥大型心筋症と診断した. β遮断薬とジソピラミドの内服により左室流出路圧較差と自覚症状の改善が得られた. 外来で薬物治療を継続していたが, 徐々に自覚症状の増悪を認め, 心エコー上, 安静時の左室流出路圧較差が117mmHg, 僧帽弁閉鎖不全 (mitral regurgitation ; MR) はIII度となり, 2012年5月, 当科再入院となった. 薬物治療抵抗性と判断, 経皮的中隔心筋焼灼術 (percutaneous transluminal septal myocardial ablation ; PTSMA) を施行し, 左室流出路圧較差とMRは消失, ドブタミン負荷でも圧較差は出現しなかった. 術中に一過性完全房室ブロックを認めたが, 明らかな合併症はみられなかった. 治療前後で焼灼部位を核磁気共鳴画像 (magnetic resonance imaging ; MRI) で観察することができ, 信号の変化による焼灼部位の同定や心室中隔壁厚の変化, 壁運動の評価において有用な検査法と思われた.
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