心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
一般演題
肥大型心筋症・高齢を背景に発症した非弁膜症性の持続性心房細動に浮動性左心耳内血栓を合併した1例
鈴木 健太郎山下 晋宮廻 英司眞木 高之越田 俊也
著者情報
キーワード: 心房細動, 左心耳内血栓
ジャーナル フリー

2014 年 46 巻 SUPPL.3 号 p. S3_86-S3_89

詳細
抄録
 症例は75歳男性. 肥大型心筋症, 高血圧症で近医通院中であった. 2013年2月に両下腿浮腫を自覚, これを契機に心房細動およびうっ血性心不全の診断に至った. 抗凝固療法は, 推算CCr 73mL/minであったが70歳以上のためタビガトラン220mg/日とされた. 心房細動は持続し, 4月に除細動目的で当院紹介となった. 経食道心エコーで左心耳に径14×19mmの浮動性腫瘤を認めた. 血栓を疑い, タビガトランを休止し, ヘパリンとワルファリンを投薬した. 本症の血栓はサイズ・可動性の点からも塞栓症のリスクが高く, 早期の外科的介入が必要と考えた. 心臓血管外科のもと左心耳内腫瘤摘出術, Maze Ⅳ術他を施行された. 腫瘤は一部器質化を伴う血栓であった. 除細動前の経食道心エコーで初めて血栓が明らかになった. 左心耳内血栓の発症率および予測, 左心耳内血栓への新規経口抗凝固薬NOACによる治療報告について文献的考察を踏まえて報告する.
著者関連情報
© 2014 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top