心臓
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第27回 心臓性急死研究会
たこつぼ心筋症後に心室中隔穿孔を発症した1例
池田 宗一郎林谷 俊児宮本 和幸森重 翔二西山 憲一中島 豊本田 修浩栗林 祥子池田 次郎堺 浩二古財 敏之目野 宏稲生 哲治
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2015 年 47 巻 SUPPL.1 号 p. S1_69-S1_73

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抄録

 たこつぼ心筋症は1990年に本邦よりDoteとSatoらが初めて報告し, ballooningとも称される心尖部の逆収縮と基部の過収縮による冠動脈支配領域に一致しない局所壁運動異常が特徴的で, 保存的治療で回復する比較的良性の疾患とされてきた1) . しかし心不全や重症不整脈, 心内血栓による塞栓症などにより死亡する例も報告され, 必ずしも予後良好ではないことも明らかにされつつある2) . 左室自由壁破裂や心室中隔穿孔 (Ventricular septal rupture : 以下VSR) は急性心筋梗塞後の重篤な合併症として知られるが, たこつぼ心筋症後の発症も報告されている3~5) . 今回たこつぼ心筋症後のVSRの症例を経験し準緊急手術を行ったものの救命できなかった症例を経験したので報告する.

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© 2015 公益財団法人 日本心臓財団
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