心臓
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[症例]
糖尿病性腎症を合併した難治性心不全に腹膜透析が有効であった1例
樺山 翔平大下 千景上田 智広越智 誠寺川 宏樹
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2021 年 53 巻 2 号 p. 200-207

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抄録

症例は68歳男性.9年前より拡張型心筋症および糖尿病の合併にて薬物治療を受けていた.201X年7月中旬にその年3回目の心不全にて入院.ドブタミン(DOB)3γおよびフロセミド80 mg静脈投与にもかかわらず,腹水が改善しなかった.長期入院となり第57病日の9月上旬に当院に転院した.転院時,体重77 kg,DOB投与下で血圧90/63 mmHg,脈拍数57/分,うっ血,腹水を認めた.血液検査ではeGFR 10.3 mL/min/1.73 m2と低下を認め,BNPは4164 pg/mLと上昇し,心エコー検査では左室駆出率27%と低下していた.DOB増量などの薬物管理を行うも収縮期血圧は70-90 mmHgが持続し腹水は減少しなかった.第40病日より血液透析,持続血液濾過透析,限外濾過を開始し状態を安定させたうえで,第53病日に腹膜透析に移行した.体重は61.4 kgと減少し,第104病日に自宅退院となった.腹膜透析は,拡張型心筋症の難治性心不全患者の腎代替療法として有用と考えられた.

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