心臓
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研究 Phentolamineのモルモット心室筋に対する電気生理学的作用
佐田 英明伴 隆志
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キーワード: 活動電位, 抗不整脈剤
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1978 年 10 巻 3 号 p. 262-269

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抄録

1)phentokaminoのモルモット心室筋活動電位に対する効果を調べた.
2)phentolamine 13.3,26.5,53.0μM投与30分ないし60分後に活動電位の変化は一定になった.すなわち,活動電位の高さ(TA)および最大立ち上がり速度(Vmax)は用董依存的に著明に減少した.静止電位(RMP)は大量投与例で多少減少傾向を示した.90%再分極時間APD90は標本ごとに不定な変化を示した.しかし,(APD90-APD50)/APD90直は全例で有意に増大した.有効不応期(ERP)は全用量で延長した.上記変化は正常T貰ode液で再灌流の後,1-2時間でほぼ投与前の値に復帰した.
3)phentolamine投与標本で,1Hz駆動刺激を1secから300sec間中断した時,刺激再開後初発目の活動電位のVmaxは投与前の値に近く回復した.回復の程度は刺激休止期間に対し指数関数的に変化した.回復の時定数は8-15secであり,用昂:とは無関係に一定であった.
4)駆動刺激の頻度を0.25Hzから5Hzまで段階的に変化させると,VmaxはControlではほとんど変化しなかったが,phentolamine投与例では刺激頻度に依存して変化した.
上記実験結果から作用機序を考察し,併せて,臨床的意義について考察した.

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