運動負荷試験は心機能評価にひろく用いられており,大別して等尺性負荷法と動的負荷法がある.一般にhand-grip法による等尺性負荷法は心因反応やバルサルバ現象が起こりやすく,段階的負荷漸増法の実施は困難であるとされている.そこでわれわれはこの等尺性負荷法の欠点を補うべく定滑車重量負荷法を考案し,安全かつ有効に段階的負荷漸増法を実施し,健常人の循環諸指漂を検討した.その結果,心拍数,血圧,Katz係数は負荷後半に増加が著明であり,動的負荷とは異なったパターンを呈した.心係数と酸素摂取量は同じ傾向を呈し,負荷後半での増加は顕著ではなかった.