心臓
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研究 心筋シンチグラムのEmission CT法
虚血性心疾患における検討
二神 康夫浜田 正行市川 毅彦小西 得司中野 赳竹沢 英郎竹田 寛前田 寿登中川 毅
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1983 年 15 巻 8 号 p. 856-864

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抄録

201Tl心筋シンチグラフィーによる虚血性心疾患の診断精度を向上させるため, 運動負荷201Tl心筋シンチグラフィーを施行し,SPECT法と従来のPlanar法を比較した. 方法は, 東芝製の回転対向型ガンマカメラを装着したSPECT装置を用い,自転車エルゴメーターで多段階負荷を行い, peak skress時201Tl 2.5 mCi静注後stress imageデータ収集,3時間後にredistribution imageデータを収集し(各6分),体軸横断断層像,および矢状,冠状断層像を再構成して(8分),各断層像から虚血性心疾患を診断した.虚血性心疾患の検出率はSPECT法98%, Planar法86%であった. 心筋梗塞群における一過性虚血の検出はSPECT法70%, Planar法34%,ECG40%(ST低下)であり,Segmental analysisにおいては,LAD,LCX,RCAでそれぞれSensitivityは,SPECT法86%,68%,83%,Planar法で61%,60%,57%と,SPECT法は,虚血性心疾患の診断精度を高め,罹患冠動脈の推定をも可能とした.

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