心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
臨床 Propranolol徐放製剤(lnderal LA(R)) の本態性高血圧症における血圧日内変動に及ぼす影響
Propranolol通常製剤との比較
池田 正男中川 雅博梶原 長雄築山 久一郎河北 成一河合 忠一伊地知 浜夫河村 慧四郎村尾 茂雄熊原 雄一柴田 宣彦置塩 達郎柏井 忠治郎香取 瞭加藤 俊夫福崎 恒
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 15 巻 8 号 p. 879-894

詳細
抄録

入院加療中の本態性高血圧症患老を対象にpropranolol徐放製剤(propranolol LA)60~120mg1日1回投与群2 7 例とpropranolol通常製剤(propranolol) 60~120mg1日3回分割投与群16例について,血圧日内変動に及ぼす影響を比較検討した. その結果, 両群とも有意な降圧が認められたが, 血圧変動パターンにおいては,両群とも有意な変化は,認められなかった.また血圧の変動性については,1日の最大・最小値差(Range)およびその標準偏差(S.D)とRange,S.D.を血圧平均値で補正した計4つの要因で検討した結果,propranololLA投与群の収縮期血圧におけるRange,S.D.においてのみ有意な変化が認められたが,血圧下降度および血圧の変動性では両群間に差はみられなかった. 副作用については,両群2例ずつみられたが,特に重篤な副作用はみられなかった.
以上から,propranolol徐放製剤は1日1回の服用により,propranolol通常製剤1日3回服用とほぼ同等の効果が得られるものと判断された.

著者関連情報
© 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top