心臓
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臨床 東北地方における先天性僧帽弁閉鎖不全症の外科治療
入沢 敬夫鷲尾 正彦関野 美仁鈴木 康之堀内 藤吾伊藤 伊一郎新津 勝宏高野 光太郎星野 俊一秋場 伴晴佐藤 哲雄福田 守邦長井 靖夫
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1984 年 16 巻 1 号 p. 26-33

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抄録

東北6県の13施設で経験した16歳未満の先天性MR(単純な合併心奇形を含む)143例について外科治療の面から検討した. 非手術の 58例(40.5%) では孤立性MRは66%で,Sellers II度以下例が85%を占めた. 心不全は12%に存在し, うち2例(3.4%)が死亡した. 合併心奇形のみ手術の41例(28.7%)では心不全は56%に認められたが, Sellers II度以下例は73%であった. VSD22例, ASD 9例,PDA 9例,AS 1例に修復術が行われ, 手術死亡は1例(2.4%)であった. 3例にはMRに対し再手術が行われた. 僧帽弁形成術の26例(18.2%)では心奇形は69%に, 心不全は65%に認められ, Sellers III度以上例は73%を占めた. 弁輪拡大(53.8%), 弁尖亀裂(26.9%)などに対し, 弁輪縫縮術21例, 亀裂の縫合5例が行われた. 手術死亡は1例(3.8%), 遠隔死亡は2例(7.6%)であった. 僧帽弁置換術の18例(12.6%)ではSellers III度以上例は94%で, 心不全は78%に発生した. 弁輪拡大(50%), 弁尖退縮(27.8%)などに対し, 19-27mmの機械弁11例, 生体弁7例が移植された. 手術死亡は1例(5.5%), 遠隔死亡は4例(再手術死亡3例)(22%)であった.

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