心臓
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臨床 心エコー図における僧帽弁輪石灰化の臨床的意義
能沢 孝杉本 恒明浦岡 忠夫余川 茂井内 和幸秋山 眞神保 正樹吉田 繁樹藤沢 貞志
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1984 年 16 巻 1 号 p. 34-37

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抄録

僧帽弁輪石灰化MACの臨床的意義, ことに不整脈との関連について連続 2,412例のMモード心エコー図で検討した. MACは40例(1.7%)で検出された. 年齢は36-86歳. MAC例の心電図所見は, 心房細動10例, 洞不全症候群4例, 1度房室ブロック5例, 完全房室ブロック3例であった. また, 心室内伝導障害6例, 上室性期外収縮3例, 心室性期外収期5例をみた. 2,412例中洞不全症候群は34例, 完全房室ブロックは5例であったが, MACはそれぞれ 11.8%,60.0% に検出された. 永久ペースメーカー植込みを行った症例は洞不全症候群11例, 房室ブロック9例で, そのうちMACはそれぞれ 27.2%, 33.3%であった. MACの検出された40例の臨床診断は, 不整脈26例, 虚血性疾患10例, 高血圧7例, 糖尿病7例, うっ血性心不全5例, 慢性腎不全3例, 心臓弁膜症3例であった. MACは不整脈, ことに伝導障害を合併する頻度が高く, 留意すべきことと思われた.

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