心臓
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研究 心不全患者におけるヒト心房性利尿ホルモンの静脈特性に対する作用
池ノ内 浩佐藤 廣飯塚 昌彦芹澤 剛平田 恭信松岡 博昭杉本 恒明
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1990 年 22 巻 5 号 p. 491-498

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抄録

うっ血性心不全患者の静脈拡張特性に対するヒト心房性利尿ホルモンの作用をプレチスモグラフィを用いて,ニトログリセリンの作用と比較することで検討した.前腕の静脈圧(VP:圧トランスデュサー)および容積変化(ΔV:プレチスモグラフィ)を測定し,静脈の圧容積関係を指数曲線(VP=C・exp(K・ΔV))(r=O.98±0.01)に回帰させ静脈スティフネス定数(K)を算出した。ヒト心房性利尿ホルモン(0.1μg/kg/min)は点滴静注し,ニトログリセリン軟膏(30mg)は前胸部に塗布した.ニトログリセリンによって末梢静脈の圧容積曲線は容積軸上で右に偏位し,静脈スティフネス定数は有意に減少した(-23%,p<0.03).一方心房性利尿ホルモンは圧容積曲線をいずれの方向にも偏位させず,静脈スティフネス定数も変化させなかった.以上よリヒト心房性利尿ホルモンはうっ血性心不全患者において静脈拡張作用を持たないと結論した.

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