心臓
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研究 急性心筋梗塞の長期予後
長期外来管理下での成績
今鷹 耕二北原 陽之助内藤 滋人世古 義規藤井 潤
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1990 年 22 巻 9 号 p. 1016-1023

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抄録

対象は急性心筋梗塞を発症して朝日生命成人病研究所に来診し,1カ月以上生存した113例(男99例,女14例)で,同施設通院中(平均6.0年)の累積生存率を生命表法により求めた.累積生存率は1年後98%,3年後90%,5年後82%,7年後71%,9年後68%と欧米での成績と比べても高い生存率を示した.合併症として糖尿病を有するものでは心臓死,再梗塞を生じる確率が45例中15例(33.3%)と非糖尿病での68例中10例(14.7%)に比べて有意に高かった(p<0.01).脳卒中,高脂血症,高血圧を有するものでも有意ではないが心臓死,再梗塞の確率が高い傾向があり,これらの因子は心筋梗塞の予後に悪影響を及ぼしている可能性が示された.

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