心臓
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症例 左心室原発性血管腫の1治験例
泉山 修田畑 哲寿柳 堅徳山下 昭雄馬場 雅人長谷川 正
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2000 年 32 巻 7 号 p. 581-584

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抄録

左心室血管腫は極めてまれな原発性良性心臓腫瘍である.今回,この腫瘍に対して手術を施行し,良好な結果が得られたので報告する.
症例は56歳の男性で,胸部圧迫感を主訴に狭心症を疑い,精査のため入院した.心エコーにて左心室中隔後壁寄りに可動性の球状腫瘤を認め,冠動脈造影では右冠動脈造影で後下行枝の中隔枝より造影剤のプーリングを認めた.原発性心臓腫瘍の診断下に,体外循環下経僧帽弁的に腫瘍を摘出した.摘出した腫瘍は大きさ2.5×2cmで,重さ4.1gであり,病理組織学的検査により混合型血管腫と診断された.術後2年の現在,元気に日常生活を送っている.我々の調べ得た範囲では,左心室原発性血管腫に対する手術報告例は自験例が本邦第2例目である.

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