心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
第13回心臓性急死研究会 無症候性Brugada型心電図を呈する症例はどこまで精査すべきか
山田 健史渡辺 一郎小島 利明神田 章弘押川 直廣正木 理子大久保 公恵橋本 賢一奥村 恭男大矢 俊之斎藤 穎小沢 友紀雄上松瀬 勝男
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 33 巻 Supplement3 号 p. 140-143

詳細
抄録

標準12誘導心電図(ECG)上右脚ブロック(RBBB)およびV1~V3誘導のST上昇(ST↑)を呈する症例に対し加算平均心電図(SAECG)・電気生理学的検査(EPS)を行い,心室細動(Vf)の誘発および突然死との関連を検討した.対象はRBBBとST↑を有する32例.心電図上coved(CO)型は15例,saddle back(SB)型は17例.SAECG上,心室遅延電位(LP)はCO型ST↑例では8例(67%),SB型ST↑例では4例(30%)で陽性であった.EPSにてCO型ST↑例では9例(90%)でVfが誘発され,SB型ST↑例ではLP陰性例でVfは誘発されなかった.Follow up中2例が突然死し,どちらの症例もCO型ST↑例であり,1例はLP陽性でVfが誘発された症例であった. 無症候性でもCO型ST↑例やLP陽性例ではEPS等にて精査すべきと思われる.

著者関連情報
© 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top