心臓
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第13回心臓性急死研究会 失神歴を有するQT延長症候群の兄弟例
河野 恆輔山本 博昭甲田 隆八巻 文貴佐藤 渉番場 誉
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2001 年 33 巻 Supplement3 号 p. 40-44

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抄録

9歳の男児で度重なる失神歴を有するQT延長症候群の一例を経験した.12誘導心電図では,心拍数58bpmでQT時間は0.56秒,QTcは0.54と延長.イソプロテレノール負荷時の心電図では,心拍数は111bpmまで上昇し,QT時間は0.44秒でQTcは0.58とさらなる延長を来たした.トレッドミル負荷試験では,心拍数は57から144bpmまで上昇したが,安静時QaT400msecから340msecまでしか短縮せず, Q T a p e x / R R s l o p e は0 . 1 0 6 とQTのrate adaptationは不良であった.症例の弟の安静時12誘導心電図は,心拍数は62bpmでQT時間は0 . 4 8 秒, Q T c は0 . 5 2 と延長し, トレッドミル負荷試験からもとめたQTapex/RR slopeは0.06とQTのrate adaptationは極めて不良であった.今後厳重な経過観察が必要と考えられた.

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