心臓
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第13回心臓性急死研究会 アミオダロン内服早期にQT延長とTdPを呈した1症例
広瀬 尚徳篠崎 毅馬場 恵夫加藤 浩Kaoru Iwabuchi三浦 昌人福地 満正渡辺 淳白土 邦男堀口 聡
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2001 年 33 巻 Supplement3 号 p. 45-48

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抄録

虚血性心筋症(LVEF14%)の56歳女性,冠動脈2枝病変の繰り返す再狭窄に対してPTCAを計5回施行している.この間,虚血とは無関係のVfを発症し,ICD植え込み目的に当科入院となった.
この症例は経過中に急性心筋梗塞を発生しdirect PTCAを施行,虚血再灌流に成功したが,その後に心不全とVT/Vfを起こした.
IABPにより心機能は改善したが,VTを繰り返すためアミオダロンを400mg/day内服開始した.しかし,翌日QTcが450msから550msまで延長,torsade de pointes(TdP)を頻発し直流除細動を64回要した.
このTdPはIABPの再挿入では抑制されず,心室ペーシングが有効であった.
アミオダロン中止後にQTcは正常化し,CABGとICD植え込みを施行することができた.
低心機能の症例においてアミオダロン内服48時間以内という早期にQT延長をきたし,TdP頻発した症例を経験した.

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