心臓
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第13回心臓性急死研究会 Naチャネル遮断薬が有効であったshort-coupled PVCにひき続くTorsade de Pointesの1例
鵜野 起久也西里 仁男下重 晋也宮本 憲次郎土橋 和文三浦 哲嗣村上 弘則島本 和明
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2001 年 33 巻 Supplement3 号 p. 49-55

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抄録

症例は16歳,女性.母親は25歳時に突然死.12歳時に意識消失を主訴に近医受診.心電図・心精査にて明らかな器質的心疾患を認めず.ホルター心電図にて連結期の極めて短い(<300msec)PVCにひき続いて出現するTorsade de Pointes(TdP)を認めた.TdPに対してpropranololとdisopyramideの併用療法が開始された. 以後徐々に増量されpro-pranolol 150mg/日およびdisopyramide 600mg/日にて経過観察されていたが前失神発作が出現するようになってきたため当科入院となる.入院後施行されたトレッドミル検査・イソプロテレノール段階的持続静注検査にてTdPは誘発されなかったが,心臓電気生理検査にて左室心尖部近傍にDADによると思われるh u m p の出現を認めた. Short-cou-pled PVCとひき続くnon-sustained TdPに対しMg静注は有効であり, flecainideの静注によりPVCとTdPは完全に消失した.本症例に対しICDとflecainideを含めた抗不整脈薬との併用療法を開始している.

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