心臓
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第13回心臓性急死研究会 カテーテルアブレーションが著効した若年者カテコラミン感受性多形性心室頻拍の1例
臼田 和生小林 大祐打越 学永田 義毅竹森 一司石川 忠夫畑崎 喜芳
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2001 年 33 巻 Supplement3 号 p. 56-62

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抄録

症例は13歳,女子.1999年11月8日朝シャワー浴後,突然意識消失をきたし近医受診.心電図モニター上,心拍数増加と共に心室性期外収縮と,頻拍周期が非常に短い非持続性多形性心室頻拍の頻発が認められた.12月25日再度意識消失を認め当院小児科入院.多形性心室頻拍が意識消失の原因と考えられ加療目的に当科紹介された.12誘導心電図は正常洞調律で基礎心疾患はみられず,多形性心室頻拍出現様式よりカテコラミン感受性多形性心室頻拍と診断.多形性心室頻拍第1拍目は常に単発心室性期外収縮と同一のQRS波形であったため,この心室性期外収縮を標的にカテーテルアブレーションを施行。心室性期外収縮の起源は右室流出路で,ペースマッピングを指標に通電し,術後trigger期外収縮および多形性心室頻拍は消失した.以後,無投薬下で経過観察中であるが失神発作は認められない.カテコラミン感受性多形性心室頻拍の治療として,多形性心室頻拍第1拍目を標的としたアブレーションが有効と思われた.

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