心臓
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第13回心臓性急死研究会 Pilsicainideにより致死的催不整脈作用が出現した維持透析患者の2症例
渡邉 滋子高野 幸一東 晃生原 和義矢部 彰久轟 正勝堀中 繁夫松岡 博昭
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2001 年 33 巻 Supplement3 号 p. 74-78

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抄録

【症例1】79歳,女性,週3回,各4時間の維持透析患者.発作性心房細動(Af)に対しpilsicainide(P)75mg/日が投与され,以後,房室ブロックに続き持続性心室頻拍(VT)が出現直流通電(CV)を行うもVTは持続.P過剰投与による催不整脈と考えられ,頻回の透析により改善.【症例2】48歳,女性,週3回,各4時間の維持透析患者.Afに対するP50mg/日投与後からの失神発作を主訴に当院救急外来受診.来院時150/minのwide QRS Tachycardiaを認めCVにて停止.当院来院前日に前医で行ったHolter心電図ではVTをほぼ一日中認めた.透析患者における腎排泄性抗不整脈剤使用の際には,透析での除去率を考慮した少量からの用量設定が必要で,その催不整脈作用に十分注意する必要があると考えられた.

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