心臓
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臨床 長期植え込み式冠状静脈洞ペーシング
山本 豊Judge, R. D.
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1974 年 6 巻 11 号 p. 1577-1584

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抄録
Sick Sinus Syndrome(Brady-Tachycardia Syndromeを含む),およびCarotid Sinus Syncopeを有する患者19例に,植え込み式冠状静脈洞ペーシングを行ない,延243ヵ月の観察から,その有用性,安全性,安定性を検討した.ベーシング単独,またはdigitalis製剤,利尿剤,抗不整脈剤などの薬物療法の併用により,衰弱疲労感めまい,失神発作,息切れ,胸痛,動悸などの自覚症状は,大部分の症例で消失または改善を示し,さらに,心室性期外収縮,発作性心房細動・粗動なども,大部分の症例で改善を示した.合併症や房室ブロックの発生はみられなかった.電極位置は安定で,ペーシング閾値は平均3.0mA,置換時に大きな変化はなかった.一時的なペーシング不全を2例に認めた.デマンド型ペーシングでは,約半数に感知異常を認めたが,適切な感知閾値と不応期をもつペースメーカを選択すことにより,解決できることを示した.
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© 公益財団法人 日本心臓財団
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