心臓
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臨床 心筋硬塞後の心臓破裂 特に臨床診断を中心に
後藤 一雄遠藤 真弘林 久恵今野 草二関口 守衛
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キーワード: 心臓破裂
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1975 年 7 巻 14 号 p. 1619-1626

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抄録

昭和42年8月より48年8月までの過去6年間に,当教室のCCUが経験した心臓破裂は17例である.これは同期間中の心筋硬塞603例の2.7%にあたり,入院中死亡原因の10.1%にも達した.心臓破裂の透因として,広範囲な前壁硬塞であること.高齢者であること.硬塞後の血圧が120mmHg以上と比較的高値を持続している症例であることがあげられた.
大伴の症例は,硬塞後10日以内に発生しており,その期間内は心臓破裂に対する迅速な外科的治療ができる体制を整えておく必要があった.臨床像として,心膜摩擦音が心臓破裂の前駆症状となることがあるので注意する必要があった.また,臨床症状が急変し,その時に特徴的な心電図所見がみられた場合は,緊急に補助循環を行ない,破裂部に対する外科的処置を行なうことにより,さらに救命しえる症例が増加すると思われた.

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