心臓
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臨床 β-遮断剤practololの抗不整脈作用 ajmalineを対象とする二重盲検試験
伊藤 裕康杉下 総吉小田 政行平川 千里早瀬 正二
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1975 年 7 巻 3 号 p. 345-355

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抄録

新しいβ-遮断剤practololの不整脈,特に期外収縮に対する効果を,ajmalineを対照薬とする二重盲検交叉試験を行なって検討した.対象は選択基準に合う不整脈39例,うち期外収縮36例であった.主治医により評価された全般改善度,患者自身による薬効の評価および期外収縮の改善度についてはpractololとajmalineの間に差はなく,いずれも70%程度の改善率であった.またこれらの優劣比較においても両薬剤間に有意の差はなかった.
血圧降下作用は軽度ながら,practololに認められ,徐脈効果についてはpractolol はajmalineと較べ有意に大であった.両薬剤による副作用の出現率についても有意な差を認めず,重篤な副作用もなかった.以上よりpractololは特に徐脈効果においてajmalineに勝りその抗不整脈作用はajmalineとほぼ同等のものであり,臨床上期外収縮などの不整脈に有用であると結論される.

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