抄録
Discrete Subaortic Stenosis(membranous type)2症例のUCGを手術前後に記録し比較検討を加えた.
1)大動脈弁は収縮早期半閉鎖,半閉鎖以後収縮末期までの弁離開の減少,粗い大動脈弁振動の異常運動所見を示した.
2)弁下狭窄物由来と考えられる異常エコーを記録した.1例は細い異常エコーが心室中隔側,僧帽弁輪側の両側でみられ,心室中隔の動きと同期して平行運動を示した.他の1例は大動脈弁と同じ深さにおいて多重エコーが認められた.
3)弁下狭窄物の部分切除後に,大動脈弁異常運動の改善,消失が認められた.また左室流出路の異常エコーも一部消失した.
4)大動脈弁収縮早期半閉鎖,弁振動などの異常運動所見は多くの疾患でみられるため,ビーム方向をかえて詳細に左室流出路を検索し,弁下狭窄物の異常エコーを捉えることがDSSの診断にさいして重要である.