【目的】
原発性小腸癌の臨床的特徴を明らかにすること。
【方法】
1983年4月から2018年3月までの35年間に、外科的切除標本の検討により病理組織学的に確診が得られた原発性小腸癌19例の臨床的特徴を遡及的に検討した。
【成績】
原発性小腸癌19例の平均年齢は56.8歳で、男性8例、女性11例であった。Lynch症候群に合併して発症した症例を1例認めた。癌の占拠部位は空腸が9例、回腸が8例、大腸内視鏡検査で発見された回腸末端が2例であった。小腸バルーン内視鏡検査が5例(空腸4例、回腸1例)、カプセル小腸内視鏡検査が3例(空腸2例、回腸1例) で施行されていた。術前に生検で小腸癌と診断されたのは7例(空腸4例、回腸1例、回腸末端2例)であった。腫瘍径の中央値は45mmで、肉眼型はⅠs+Ⅱcが1例、1型が2例、2型が8例、3型が7例であった。組織型は高分化腺癌が11例、中分化腺癌が5例、低分化腺癌が2例、その他の癌が1例であった。壁深達度はpMが1例、pSSが5例、pSEが10例、pSIが3例であった。リンパ節転移は11例に認められ、リンパ管侵襲は15例、静脈侵襲は15例に認めた。病期は0期1例、Ⅱ期3例、Ⅲa期3例、Ⅲb期3例、Ⅳ期9例であった。予後の判明した8例の内、4例は生存していたが、4例は原病死しており、術後観察期間中央値は15ヶ月であった。
【結論】
原発性小腸癌はいずれも高度に進行した状態で発見されており、今後、より早期の診断を可能とする診断体系の確立が望まれる。