食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
調査・資料
ワルファリン服用者におけるビタミンK摂取量の許容範囲に関する系統的レビュー
佐藤 陽子村田 美由貴千葉 剛梅垣 敬三
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 56 巻 4 号 p. 157-165

詳細
抄録

ワルファリンはビタミンKと相互作用を起こすことから,その服用者にはビタミンK摂取制限が指導されるが,制限を過度に意識すると摂取不足やQOLの低下を招く.そこで,ワルファリン服用者が許容可能なビタミンK摂取量の幅を検討するため,ワルファリンとビタミンKの相互作用による有害事象論文の系統的レビューを行った.論文は2014年10月に2つのデータベースにて検索し,採択した16報より摂取の上限量を,6報より下限量を検討した.その結果,ワルファリン服用者におけるビタミンK摂取量は,25~325 μg/日の範囲で,日ごとの変動幅は292 μg未満に収め,150 μg/日の摂取を目指すことが適切と考えられた.この結果から,日本人の主なビタミンK供給源のうち,禁止すべき通常の食品は納豆であり,緑黄色野菜は摂取量の調節をしながら摂取できることが示された.

著者関連情報
© 2015 公益社団法人 日本食品衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top