食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
ウェルシュ菌による魚貝類の汚染 (第4報)
分離ウェルシュ菌の耐熱性あるいは抗原型と, サリシン発酵能との関係について
谷口 忠敬
著者情報
ジャーナル フリー

1970 年 11 巻 6 号 p. 455-458

詳細
抄録

魚貝類から分離したウェルシュ菌 (辺野喜の基準) の耐熱性あるいはHobbs型と, 生化学的性質とくにサリシン発酵能との関係を検討し, つぎの結果を得た.
1) 分離ウェルシュ菌198株のうち48株はサリシン発酵陽性であった. 耐熱性 (100°, 60分) 株では分離15株のうち11株がサリシン発酵陽性であった. また同発酵陽性株の検出率は加熱 (80°, 20分) 検体分離株中で高く (65%), 無加熱検体分離株中で低かった (16%).
2) サリシン発酵陽性分離株のHobbs型に対する一致率は25%にすぎなかったが, 同発酵陰性分離株のそれ (13%) に比べると高かった. Hobbsの各抗原型とサリシン発酵能との関連は見られなかった.

著者関連情報
© 社団法人 日本食品衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top