1980 年 21 巻 4 号 p. 247-251_1
0.01Mトリス塩酸緩衝液pH 7.4を用いて抽出した大豆可溶性画分について, Sephadex G-50 を用いてゲルろ過し, 分子量約1万を境に高分子量画分F-I (銅20ppm, タンパク質約86%) と低分子量画分F-II (銅24ppm, タンパク質約1%) に2分した. F-Iをトリプシンおよびα-アミラーゼで処理したが, ゲルろ過による銅の溶出パターンに変化はなかった. また, F-Iに銅を添加して行くと, 添加量とともに結合量は増加し原試料 (20ppm) の80倍以上の1,700ppmという高濃度銅結合画分が得られた. これは無機態と結合態の生理活性などの差異を検討する上で有用と思われる. F-II中の銅ピークはニンヒドリン反応陽性部分の窒素ピークと一致し, ペプチドとの相互関係を示唆する結果を示した.