食品衛生学雑誌
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緑青 (塩基性炭酸銅) のラットによる急性及び慢性経口毒性試験
緑青 (塩基性炭酸銅) の毒性に関する研究 (第1報)
落合 敏秋臼井 章夫松本 清司関田 清司内藤 克司川崎 靖降矢 強戸部 満寿夫
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1985 年 26 巻 6 号 p. 605-616_1

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抄録

緑青の主成分とされる塩基性炭酸銅の急性及び慢性経口毒性試験をSlc: Wistarラットを用いて行った. 急性毒性試験で, LD50値は雄: 1350mg/kg, 雌: 1495mg/kgであった. 慢性試験では0, 70, 220, 670及び2000ppm塩基性炭酸銅添加固型飼料を12か月間投与した. 2000ppm群で体重増加抑制 (雄, 雌), 血清GOT,GPT, LDHの上昇が実験期間を通して観察された. 組織学的には, 雌雄2000ppm群で肝臓の単細胞壊死の発現数が有意に増加した. 以上, 塩基性炭酸銅の2000ppmはラットに肝臓障害を起こすものと結論された.

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