食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
黄色ブドウ球菌のエンテロトキシン産生に及ぼすブドウ糖の影響と食中毒由来株のコアグラーゼ型との関係
宮里 嵩
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 27 巻 5 号 p. 474-480_1

詳細
抄録

黄色ブドウ球菌食中毒の原因食品は糖質の含量が多い. そこで食中毒由来の黄色ブドウ球菌5株について, 種々の濃度にブドウ糖を加えた培地でのエンテロトキシンの産生量を検討した. その結果, ブドウ糖の添加によって毒素の産生量は低下し, ブドウ糖30%添加の場合と米粥培地における毒素の産生量は, ほぼ同程度であった. また30%ブドウ糖加培地における食中毒由来株10株のエンテロトキシンの最小産生量は13ng/mlであり, 環境由来の200株のうち47株は13ng/ml以上のエンテロトキシンを産生した. この47株のコアグラーゼ型 (コ型) は, 1株がコ IV型であり, 46株は食中毒由来株のコ型であるコ II, III, VI及びVII型のいずれかであった.

著者関連情報
© 社団法人 日本食品衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top