1986 年 27 巻 5 号 p. 481-486_1
人乳, 牛乳及びイヌ, ネコの脂肪, 野鳥 (コアジサシ, ウミネコ) 中の残留クロルデン類の成分パターンを調査した. いずれの試料とも, 前報の魚介類から得られた成分パターンと極めて異なっていた. その違いは高塩素化合物 (nonachlor 類) と酸化代謝物 (oxychlordane, heptachlor epoxide) の占める割合が高いことである. そして, その他のクロルデン類は野鳥の場合を除いて, ほとんど検出されなかった. また, 動物種により nonachlor 類の高い場合 (ネコの脂肪, 人乳, 野鳥) と, 酸化代謝物の高い場合 (イヌの脂肪, 牛乳) とが認められた.