食品衛生学雑誌
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漂白剤に使用されている化学物質の急性経口毒性及び眼粘膜刺激について
門馬 純子高田 幸一鈴木 康雄戸部 満寿夫
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1986 年 27 巻 5 号 p. 553-560_1

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抄録

過炭酸ナトリウム, 過ホウ酸ナトリウム及び次亜塩素酸ナトリウム溶液の急性経口毒性 (マウス) 及び眼刺激 (ウサギ) について検討を行った. 過炭酸ナトリウムのLD50値は, 雄で2,050mg/kg, 雌で2,200mg/kg, 過ホウ酸ナトリウムでは, 雄で3,600mg/kg, 雌で3,250mg/kg, また, 次亜塩素酸ナトリウム溶液では, 雄で6.8ml/kg, 雌で5.8ml/kgであった. 中毒徴候は, 3物質ともに胃, 腸管の刺激が主であった. 眼刺激では, 3物質ともに非洗浄群で持続性のある強度な眼粘膜障害が認められ, 特に, 過炭酸ナトリウムでの眼粘膜障害は重篤であった. 洗眼効果は, 過炭酸ナトリウム及び過ホウ酸ナトリウムで著明であったが, 次亜塩素酸ナトリウム溶液では早期の洗眼のみ効果が認められた.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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