食品衛生学雑誌
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油脂劣化指標としての炭化水素の迅速測定法と光酸化に対するクロロフィル分解物の影響
武田 由比子豊田 正武斎藤 行生
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1986 年 27 巻 6 号 p. 635-640_1

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抄録

食用油脂等の劣化の指標として低級炭化水素の迅速測定法を試みた. 油脂, Tween 80, リン酸緩衝液の混合液にアスコルビン酸及び硫酸銅を加え, 油脂中の過酸化脂質より炭化水素を生成させ, 活性アルミナを担体としFID付GCにより分析を試みた結果, 生成反応, GC測定時間を含め50分で定量可能であり検出限界はエタン0.1ppm, ペンタン0.05ppmと微量分析が可能であった. 又, 過酸化物価とも良い相関が認められた. さらに油脂の光酸化に対する各種クロロフィル分解物の影響について本法を応用したところ各種クロロフィル分解物0.1μmol/g添加で対照群に比べ高く, 8時間光照射で pyropheophorbide a が pheophorbide a, chlorophyll a に比べてわずかに高い光酸化作用が認められた.

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