ニトロソ化反応を抑制あるいは促進する食品の存在が知られている. 生食することの多い野菜や果実について, その搾汁がニトロソ化反応に及ぼす影響を検討した. ホウレンソウ, ピーマンはニトロソジエチルアミン (NDEA) 生成量を10~49%, 15~75%に減少させ, コマツナ, なすなどでもNDEA生成量の減少がみられた. きゅうり, プラム, りんごはNDEA生成量を328~576%, 265~398%, 217~503%に増加させた. しかし, 種類により検体間でNDEA生成量が大きく異なるものもあり, NDEA生成に対する影響は産地や収穫時期などに左右される可能性が示唆された. アスコルビン酸はNDEA生成抑制物質として知られているが, 野菜, 果実汁中のアスコルビン酸含有量はNDEA生成に対する作用と直接的関係はみられず, 他成分の影響が考えられた.
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