食品衛生学雑誌
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食品成分と共存する場合のアスコルビン酸, アスコルビン酸ナトリウム, エリソルビン酸およびエリソルビン酸ナトリウム水溶液の安定性について (第2報)
Cu2+含有水使用の場合
福田 照夫鈴木 和子灰原 純子木村 クニ子丸山 英雄
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1964 年 5 巻 5 号 p. 383-390

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抄録

1. 食塩, クエン酸, ペプトン, デヒドロ酢酸ナトリウムはアスコルビン酸, 同ナトリウム塩エリソルビン酸およびそのナトリウム塩に対し著しい安定能を有する. グリシン, デンプン, ショ糖は弱い安定能を有する. グリセリン, エタノールはほとんど安定能を有しない.
2. アスコルビン酸はその異性体であるエリソルビン酸よりも安定性はわずかによく, またナトリウム塩はその遊離酸に比べ, いずれも安定性が劣る.
3. グリシンの存在下では, アスコルビン酸ナトリウム, エリソルビン酸ナトリウムの残存率はそれぞれの遊離酸のそれよりもよい.
4. 食塩, ペプトン, およびグリシンの存在下においては, アスコルビン酸, エリソルビン酸の残存率が対照の再蒸留水の場合に比べ悪い点がある. これらのナトリウム塩にはこの現象はみられない.
5. Cu2+の存在およびその含有量による前記4種の抗酸化剤の安定性は, 食品成分によってうける影響に差異を生ずる.

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