抄録
ムコ多糖症はムコ多糖分解酵素が障害されることによりムコ多糖がライソゾーム内に蓄積され臓器・組織の肥大や様々な機能障害を呈す。耳鼻咽喉科領域の症状としては上気道閉塞,嚥下障害などを引き起こし,また,喉頭,気管に対しても蓄積するため手術操作にも影響を与える。今回,当院にてムコ多糖症 2 症例に対し喉頭気管分離術を施行したため報告する。
症例 1 は10歳女児。7 歳時に Sanfilippo 症候群と診断され10歳時より睡眠時無呼吸に対して nasalCPAP を使用している。13歳時,嚥下性肺炎を反復するため喉頭気管分離術を施行し改善を認めた。
症例 2 は18歳男性。3 歳時にアデノイド切除術・口蓋扁桃摘出術を施行されていた。5 歳時に Hunter 症候群と診断され18歳頃より繰り返す嚥下性肺炎により喉頭気管分離術を施行した。術後経過は良好であったが,術 1 年を経過した頃より気管の扁平化及び気管内肉芽の増生を認めた。