小児の咳嗽にはさまざまな上気道疾患が関わっている。中でも鼻副鼻腔炎とアレルギー性鼻炎は頻度が高く,急性期から慢性期まで咳嗽の原因となりうる。鼻副鼻腔炎は見逃さないことが大切で,診断には症状と局所所見が重要である。急性期であればペニシリン系を第一選択に抗菌薬治療が行われる。慢性期にはマクロライド系抗菌薬の少量療法が広く行われているが,有用性についてのエビデンスの集積が望まれる。アレルギー性鼻炎の咳嗽に対しては,その機序を考えることが大切である。後鼻漏,鼻閉など鼻症状の影響,喉頭アレルギー,気管支喘息や咳喘息の合併など,機序により治療方針は異なる。小児の咳嗽を適切に診療するために,小児科と耳鼻咽喉科双方からのアプローチと,客観的指標による評価および機序の解明が期待される。