小児耳鼻咽喉科
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原著
当科を受診したムコ多糖症の検討
田中 恭子井上 真規佐合 智子小河原 昇
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2018 年 39 巻 3 号 p. 283-290

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抄録

ムコ多糖症(mucopolysaccharidoses: MPS)はムコ多糖分解酵素が先天的に欠損することにより,全身臓器にムコ多糖が進行性に蓄積し様々な症状を呈する稀な遺伝性疾患である.今回我々は当科を受診したMPS患者16例について後方視的に検討した.滲出性中耳炎,難聴,気道狭窄は過去の報告同様高率に認められた.滲出性中耳炎は難治性であり,また難聴は進行した症例もみられた.気道狭窄の外科治療では,挿管困難,術野確保困難となった症例や,術後も気道管理に難渋する症例があり,他科と連携の上慎重な術前評価と,家族への十分なインフォームドコンセントが必要と考えられた.経過中死亡が確認されたのは7例であった.MPSでは早期の治療介入により,症状の発症や進行を遅らせることが知られている.本検討では半数以上にMPSの診断前に耳鼻咽喉科での加療歴があり,耳鼻咽喉科外来で特徴的な身体所見をみたらMPSを鑑別に挙げることが重要と考えられた.

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© 2018 日本小児耳鼻咽喉科学会
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