2018 年 39 巻 3 号 p. 291-296
先天性サイトメガロウイルス感染症(congenital cytomegalovirus infection, cCMV)児の頭部MRIの異常パターンと神経学的後障害との関連は解明されていない。尿スクリーニングで診断されたcCMV児60例の内,初回MRI検査を1歳未満に行った52例を対象とした。異常を認めたのは43例(82.6%)で白質障害(white matter abnormality, WMA)は全例に認めた。WMA以外に多小脳回,脳室拡大,海馬異形成などを有した3例は,全例に知的障害,片麻痺,難聴などの重篤な神経学的後障害を合併していた。一方で難聴の重症度とMRI所見との間に関連性を見出すことはできなかった。しかし興味深いことに,1歳半前後になってもWMAは大部分の症例(37例中29例,78%)で残存しており,WMAの臨床的意義を明らかにするために,今後も長期的な追跡が必須である。