2017 年 17 巻 11 号 p. 567-574
マイクロニードルは数百ミクロンの微細針を皮膚に適用することにより,微細針に表面塗布または内部に含有された薬物を皮膚内で放出させる経皮投与法である。1990年代にHenryらが初めてマイクロニードルを経皮吸収の研究に用いて以来,薬物の経皮送達を目的として,様々な素材,形状及びサイズのマイクロニードルが製造されている。本稿では,新しい経皮吸収製剤として注目を集めているマイクロニードルを用いた薬物の経皮吸収促進法について,開発の歴史,製剤学的特徴や開発動向の観点から概説するとともに,臨床応用に向けてのマイクロニードルの要求性能についても議論する。