小児耳鼻咽喉科
Online ISSN : 2186-5957
Print ISSN : 0919-5858
ISSN-L : 0919-5858
ランチョンセミナー1
耳鼻科咽喉科医として関わるムコ多糖症
太田 有美
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2024 年 45 巻 2 号 p. 101-105

詳細
抄録

ムコ多糖症は先天性代謝疾患の一つであり,ライソゾーム酵素の欠損または活性低下によりムコ多糖が細胞内に過剰蓄積されることで全身に様々な症状が発現する疾患である.耳鼻咽喉科領域で問題となるのは,気道と難聴の問題である.扁桃肥大,アデノイド増殖,巨舌による上咽頭・中咽頭の狭窄,喉頭粘膜の浮腫や肥厚に伴う声門部・声門上の狭窄,気管軟骨の変形による下気道の狭窄が生じうる.全身麻酔下手術の周術期では気道管理に細心の注意を要する.滲出性中耳炎は高率に認められ,感音難聴も徐々に進行してくる.扁桃肥大や滲出性中耳炎は,耳鼻咽喉科の一般診療で頻度の高い疾患であるが,ムコ多糖症の症状の一部である可能性も疑って診療にあたることで早期診断につながる可能性がある.ムコ多糖症に対する治療として酵素補充療法があり,早期に介入することで生命予後やQOLの改善が期待出来る.

著者関連情報
© 2024 日本小児耳鼻咽喉科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top