2024 年 45 巻 2 号 p. 97-100
2024年4月から医師の働き方改革がスタートしたが,長時間労働を是正し医師の健康を確保しつつ持続可能な医療を提供するという医師の働き方改革の目的の実現及び男女問わずワークライフバランスの取れた働き方を実現するためには,宿日直許可の取得等による数字上の労働時間の削減にとどまらず,実質的に業務の負荷を軽減し,誰もが働きやすい職場環境を作ることが重要である.
その実現のためには,組織と個人の意識改革及び業務改革が必要となる.意識改革においては,医師の健康や生活を犠牲にしても患者の診療を優先するという意識を改めること,性別問わず医師も育児休業等のライフイベントに応じた必要な休暇を取得することに理解を示すということが重要である.また業務改革においては,トップダウン型及びボトムアップ型の取組みの双方が重要であり,医療機関及び診療科の特性に応じた取組みを継続していくことが重要である.