2025 年 46 巻 2 号 p. 69-76
ワクチンは,病原体特異的な免疫を付与でき,感染症対策における有用な予防手段である.最近わが国で導入された,いくつかの新しいワクチンについて概説する.具体的には,経鼻弱毒生インフルエンザワクチン,精製Vi多糖体腸チフスワクチン,組織培養不活化ダニ媒介性脳炎ワクチンの3製剤について紹介する.わが国のインフルエンザワクチンは,不活化HAワクチンが半世紀以上にわたって使われているが,2024年秋から異なるモダリティの経鼻弱毒生ワクチンが加わった.2歳から18歳が接種対象で,年齢にかかわらず,流行シーズン前に1回の接種を行う.海外渡航者など,罹患のリスクが高い者に接種されるワクチンとして腸チフスワクチンとダニ媒介性脳炎ワクチンも登場した.前者は2歳から,後者は1歳から接種が可能である.