室内環境
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原著論文
公共トイレでの臭気源探索に対する可搬型高感度アンモニアセンサの適用
京谷 隆 川﨑 たまみ吉江 幸子丑込 道雄壷井 修
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 21 巻 3 号 p. 189-197

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抄録

においに関して鉄道利用者からの意見が多い,公共トイレの一つである駅トイレでは,鉄道事業者が様々な評価や対策を行っている。筆者らは,手軽に使える検知管法によって,代表的な臭気成分の一つであるアンモニアを指標に,臭気発生源の探索を行ってきた。しかし,検知管の検出可能な濃度がアンモニアの検知閾値(0.1ppm)に対して高いため,不快臭を感じるトイレでも測定結果が不検出となることが多かった。このため,臭気発生源の発見に繋がらない場合もあった。そこで,現場での臭気源の探索のためには,より濃度の低いアンモニアの検出法が必要とされてきた。
このような状況に対応するため,筆者らは,既に開発した,より検出感度が高いアンモニアガスセンサ素子を用いた可搬型のシステムを試作し,それを用いて,臭気の強さが異なる3つの駅トイレにおいて実証試験を行った。その結果,より低濃度のアンモニアを検出することができること,約5分で臭気源の位置を推定することができることを確認した。

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© 2018 一般社団法人 室内環境学会
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