抄録
絹糸をエポキシドで化学修飾することによる藍染めの染着効率の向上と毛羽発生の抑止について検討した。エポキシド (エチレングリコールジグリシジルエーテル ) の 12 %水溶液で常温パット・バッチ処理した絹糸と無処理絹糸について,灰汁建てした天然藍液で染色を行った。その結果,エポキシド処理絹糸の3回染色は無処理絹糸の5回染色とほぼ同等の表面染着濃度K/S値を示し,かつ毛羽発生を抑止することができた。引張性能は両者にほとんど差異がなく,摩擦堅ろう度はエポキシド処理絹糸の方が濃色であるにもかかわらず無処理絹糸と同等の成績を示した。