2002 年 43 巻 2 号 p. 35-43
天体現象を科学的に理解するには,多様な視点から総合的に考察する必要がある。本研究では,天体現象を視覚的に捉えるためのモデル教材を地球儀とCCDカメラを用いて製作し,実験授業によりその教育効果を確かめた。この教材によるシミュレーションと実際の観察とを結びつけた学習に発展させるためには,地球儀上での方位と実際の観測時の方位を適切に対応させる必要がある。そこで,方位認識に関する生徒の実態を明らかにするための調査を行った。半数以上の生徒が地球儀上での方位を正確に認識できないことが明らかになった。この実態を改善するために方位認識能力育成のための方略を立て,自作モデル教材を活用した授業を実践した。