理科教育学研究
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総説
理科教育と考古学的な内容との関連性について : 特に地学教材としての活用及び総合・学際的な教材開発・実践展開の観点から
藤岡 達也
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2004 年 44 巻 2 号 p. 1-10

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抄録

自然科学と考古学との関連性は深く, これらの協同研究は現在までも学際的な多くの成果を挙げてきた。本稿ではそれにもかかわらず,従来歴史教育の側面からの取組が多かった考古学に関する素材や内容を理科教育で取扱うことの意義と可能性について論じた。特に,古環境の復原や堆積物の供給源としての後背地の考察など,地域を素材とした場合に考古学と共通した観点をもつ地学教育との関わりに着目した。具体的には,考古学に関連するこれまでの地質学・地形学(自然地理学)・岩石学などの学問をベースにした地学分野の教育研究・教育実践を検討し,地学教育の魅力について,従来あまり指摘されなかった点から論じた。さらに,「総合的な学習の時間」や「環境学習」の展開を考えた場合,考古学に関連する素材は,文科系・理科系を融合した総合・学際的な教育内容の可能性をもつこと,国内の実践例から地学の内容が多様な教育活動の展開にも関わることが期待できることについても言及した。

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© 2004 日本理科教育学会
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