2009 年 50 巻 1 号 p. 35-49
本研究では,小学校の教師と科学者が連携し,実験授業を開発するとともにその評価を通して学校の授業の中で科学者が継続的にアウトリーチ活動をする際の連携のあり方を検討した。開発した実験授業は,校庭の植物調査を題材としたものであり,小学校2年生における生活科の授業「野の草化しらべ」の導入部分で実施された。本授業の特徴は,教師とともに科学者が授業計画,対面での授業に参加するだけでなく,学習素材についても選定するとともに, Web上に「対話型バーチャル植物園」を活用した学習環境を構築して,対面及びオンラインでの連携をデザインしていることである。児童の草花の理解度や活動評価,また,アウトリーチ活動を行った科学者と教師のインタビューの結果から,実験授業の有効性が示された。