理科教育学研究
Online ISSN : 2187-509X
Print ISSN : 1345-2614
ISSN-L : 1345-2614
資料
未来を託す科学の学生のためのシンガポールの科学教育
シャー ホーン・ムンポーン シュー・レンコー チャム・セン
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 50 巻 1 号 p. 93-104

詳細
抄録

シンガポールは過去10年間教育の革新を続けてきた。始まりは1950年代であり,漁村から近代的な国家に作り上げてきた。小学校教育は6歳からはじまり,科学教育は3年生からである。科学教育は,高度な科学と,技術や経済活動のもととなるために重要であることにとどまらず,科学技術の革新をリードする科学者や技術者を養成する観点からも非常に重要である。文部省は2004年に科学教育のフレームを作成した。それに基づいて小学校と中学校について科学教育シラバスが作られた。本論はこれの詳しい紹介である。シンガポールは最近の国際数学理科調査において良い成績を修めているが,将来社会がまずます複雑になり, しかも確実に変化していくことに子どもが対応していくために,教育システムを常に改革していかなければならないという認識をしている。今後の旅路において科学教育は核となる要素であるように思われる。教師はその変革に非常に大きな役割を果たす。文部省は教師の仕事を支援する体制の構築に向けて研究を進めている。

著者関連情報
© 2009 日本理科教育学会
前の記事
feedback
Top