本研究では,粒子モデルを用いて5年『もののとけ方』を学んだ児童が, 6年『水よう液の性質』の一部でも粒子モデルで溶解について学ぶ効果を検討した。粒子モデルを用いて『もののとけ方』と『水よう液の性質』を学習させた一貫モデル群25名,『もののとけ方』のみ粒子モデルを用いた5年モデル群46名粒子モデルを用いなかった通常授業群62名,計133名の6年生を対象にして,『水よう液の性質』の学習前後で調査を実施した。その結果,事前の段階では質量保存の理解について群間に有意な差はなかったが,容器がへこむ理由については通常授業群よりも一貫モデル群. 5年モデル群の方がよく説明できるようになっていた。発展的課題については,一貫モデル群で容器がつぶれた印象にとらわれず,学んだ知識を活用して回答していた児童が多く見られた。