2010 年 51 巻 1 号 p. 93-102
本研究では,学習者の相互作用により学びを進める中学校理科の授業における学習者の自己評価について,「植物の生活と種類」の単元で実践調査を行い,学習者のかかわりと自己評価について分析を行った。その結果,学習者の相互作用により学びを進める授業において,学習者は目的達成に効果的なかかわりを選択するようになることが明らかとなった。また,相互作用を可能とした学習においては学習者は相互評価を意識して自己評価するため,客観性を意識したものとなり妥当性が高まることが明らかとなった。さらに相互作用により学びを進める授業における自己評価は,教師の特別な支援がなくても,簡便で継続的な評価となることが明らかとなった。